「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない」—シズハモがセルフガイド形式を選んだ理由

文化施設というと、講師から説明を受け、ガラス越しに展示物を見学し、短い体験をする、という形式を思い浮かべる方が多いかもしれません。

シズハモでは、そうしたこれまでの一般的な形式とは異なる、講師の説明ではなく、来訪者が貸切の空間の中で自分のペースで見て学ぶ「セルフガイド」、自らの手で触って体感する「ハンズオン」という新しい形式を選びました。

これは今の空間や時間に対して直接向き合う時間をゆっくりと楽しんでいただければ、との思いからです。

茶華道に代表される日本の伝統文化は、古くから禅宗の根本的な考え方である不立文字、という言葉を最も大切にしてきました。これは本当に大切なものは他人の文字や言葉からではなく、自らが感じとるもの、という究極の教えです。

フランスの作家サン=テグジュペリも著書『星の王子さま』の本の中で、「On ne voit bien qu’avec le cœur. L’essentiel est invisible pour les yeux. (心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。かんじんなことは、目に見えないんだよ。)」という有名な言葉を残しています。洋の東西を問わず、ブログ、動画全盛期にある現代人はつい心で感じる、不立文字的な考え方を忘れがちかもしれません。シズハモがそんな時代のひと時を顧みる場所になれば幸いです。